コンビームCT(低被曝CT)

当院では耳鼻咽喉科領域専用で鼻(副鼻腔)および耳に特化したCT機器を導入しています。病院などでよく見る横になって撮影するCTとは異なり、患者様には座っていただき、頭を固定した状態で、鼻もしくは耳のみを撮影します。
コンビームCTのメリットとしては、病院のCT(ヘリカルCTと言います)と比べて放射線の被曝量が極端に少ないこと、またレントゲンの撮影と比べて、診断能力が極めて高いことが挙げられます。
特に当院ではモリタ社製のCTを採用しており、こちらは他社のCTと比較しても撮影範囲が広く、さらに画像もかなり綺麗に撮れる特徴があります(導入費用は他社製品と比較してもかなり高額でした…ただし患者様の費用負担は他社のものでも、モリタ製品でも負担額に変わりはありません。より正確に綺麗な画像が当院で撮影することが可能となります)
また撮影時間は30秒ほどですが、準備などを含めて5分程度で検査可能となります。

コンビームCTの特徴

画像の精度が高い(診断能力の高さ)
副鼻腔や中耳といった耳鼻科領域は骨に囲まれた組織で、粘膜に覆われた小さな空間となります。
詳細な情報を画像から得ることができることは治療への汎用性も高く、また治療による効果もわかりやすく判別が可能となります。
放射線被曝量が少ない
上記に示す通り、従来のCTと比較して、放射線量が1/10から1/100ほどで撮影が可能です。
放射線被曝というと発がんリスクが高まるというイメージを持たれることもあるかと思いますが、当院のCTの場合には東京〜ニューヨークを往復するくらいの被曝量でCTの撮影が可能となります。
(クリニックによっては、その放射量からコンビームCTの撮影について妊婦も可能としている施設もあります。当院では有事も考慮し基本的には妊婦の方にはCT撮影は行わない方針です。撮影のメリットが、被曝リスクを上回った場合にはその限りではございません)
迅速な診断
受診後の診察所見を見て、副鼻腔もしくは耳の評価が必要と判断した患者様には当日にCTを撮影させていただくことも可能です。
また撮影は診察室の隣の検査室で可能でお待たせせずに撮影が可能です。
画像も10分もかからずに出来上がりますので当日に撮影し結果説明まで可能となっています。

CTについて

このようにコンビームCTは安全性も高く、診断能力も高い検査です。撮影の判断は診察所見を見て医師から提案させていただきますが、最終的には患者様やご家族の意思を尊重します。
所見上どうしても必要であれば提案することはしますが、無理強いはしませんし、診察所見から診断し治療を進めていく方針です。
CT検査はご自身、家族の目で、実際には見ることのできない「鼻の中」「耳の中」を見ることも可能とする検査です。
最良の治療法とともに、ご本人の治療意欲を高める効果も期待ができ、希望がありましたら相談ください。

CT画像

  • 人の身体をお腹側と背中側で切った断面を重ねたもの
  • 人の身体を頭側と足側で切った断面を重ねたもの
  • 人の体を横側から見た断面を重ねたもの
上顎洞
鼻の両脇、頬の内側にある空洞です。
炎症が起こると粘り気のある鼻汁が出ます。
頬が重い、下を向くと痛い、歯が痛いなどの症状が出ます。
篩骨洞
左右の目の間の奥にあり、小さな部屋が集まったような構造。
他の副鼻腔と隣接して排液の道になっているので、塞がると周りの副鼻腔に感染が広がります。
においがしない、鼻汁がのどに流れるなどの症状が出ます。
前頭洞
おでこの中にあります。
炎症が起こるとおでこや目の周りに痛みの症状が出ます。
蝶形骨洞
篩骨洞の奥にあります。
蝶形骨洞のみに炎症が起こることは稀ですが、目の奥や頭の後ろに痛みや、視力の低下や眼球運動障害が起こることがあります。

よくある質問

何歳から可能な検査でしょうか?
特に基準は設けていませんが、1分程度はじっと動かないでいていただくことが必要です。6歳前後のお子様からは可能とは説明していますが、動かないことが前提となります。
検査前に準備することはありますか?
特にありません。事前問診をいただき希望があれば相談してください。
費用はいくらくらいかかりますか?
検査のみで約3500円(3割負担の方)となります。また別途診察に関わる費用かかかります。
検査結果はいつわかりますか。
当日に結果説明を行います。検査から結果説明まで15分程度で終わります。検査結果を元に治療を開始していきます。
検査の際の注意点はありますか?
顔の周りについたピアスなどの金属類は物によっては外していただく必要がございます。