花粉症
くしゃみ、鼻水、鼻づまりを主な症状とするアレルギー反応で、花粉を契機に引き起こされます。原因となる花粉（アレルゲン）は人によって異なり、多くは、春先にはスギやヒノキ夏から秋にかけてはヨモギ、ブタクサなど背の低い植物の花粉で発症することが多いと知られています。いずれにしても発症は、飛散時期のみ、特定の原因に暴露することで発症します。診断には問診や鼻腔内の診察で総合的に判断されますが、初発時は風邪の初期症状なのかアレルギーかの診断は非常に悩ましいのも事実です。原因となるアレルゲン（抗原）がなにかを調べるため血液検査を行うことも可能です。
治療
原因となる花粉（抗原）が分かっている場合、まずはその抗原の除去あるいは回避するための環境づくり努めます。花粉症の場合は、スギの多い場所に近寄らない、メガネ、マスクをするなどになります。ただどれだけ気をつけても社会生活を送る上で、完全に抗原（花粉）を避け得ることは難しいため、薬物療法を行います。薬物療法は花粉症の原因となるヒスタミン、ロイコトリエンと行った化学物質をブロックする内服薬を使いますが、その薬剤は多岐にわたっています。それぞれの薬にはそれぞれの特徴があります（例えば、鼻詰まりが強い場合に効きやすい薬、眠気が出にくい薬etc）、症状、鼻の所見などを考慮し、また薬の効果については個人差もあるため、処方薬はご本人の状態などを考慮し処方していきたいと思います。また、そのほかにも点鼻スプレーや点眼薬も併用することで症状の緩和に寄与します。
また最重症の患者様で適応の可否を判断の上、既存の治療で十分な効果が得られなかった場合には抗IgE抗体ゾレアの皮下注射による治療も検討することとなります。
原因となる花粉（アレルゲン）が分かっている場合、原因花粉の飛散情報を確認し、花粉飛散の2週間前程度に受診し、飛散予想1週間前ほどから薬物療法を開始することで花粉症症状を軽減させることがわかっています。初期療法といわれますが、毎年症状強く悩まれている方はぜひ検討した方が良いと思います。
ほかには、強い鼻詰まりに悩まれている患者様には、腫れている粘膜に電流を流して焼灼させて収縮させるなどの外来手術療法が検討される場合もあります。（当院では現状実施しておりません）。
